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#Attention:『ROKU’e』(宮城県)

#Attention:『ROKU’e』(宮城県)

#Attentionでは、世界の気になる食品ブランドや企業を紹介しています。

本日は、宮城県川崎町にある「イーレ!はせくら王国」(運営:株式会社 東北農都共生総合研究所)が販売するチョコレートブランド『ROKU’e』に注目。

日本で初めてチョコレートを食べた人 がいた町?

宮城県川崎町支倉地区は、日本で初めてチョコレートを食べたとされる人物、支倉常長の故郷である。
約400年前、伊達藩主の伊達政宗の命を受け、支倉常長は「慶長遣欧使節団」としてイタリアを目指した。そのときに、日本人で初めてチョコレートを食べた人物と言われている。

常長の特技は、今の職業に例えると「リーサーチャー」だった。政宗の小田原参陣にも従い、「行路偵察」の大任を果たす。情報収集能力は朝鮮出兵でも発揮したと言われている。中級武士だった常長は、政宗からリサーチ能力に対しての絶大な信頼があり、当時スペイン領であったメキシコとの通商許可を得るための外交(慶長遣欧使節リーダー)を任される。

支倉常長は、ヨーロッパでの歓迎式で「チョコレートドリンク」を初めて飲んだと言われている。川崎町では、彼の呼び名であった【六右衛門】とチョコレートをかけて、【チョコえもん】というご当地キャラクターまでつくっている。これが、また可愛い。

チョコレート工房は、元・小学校?

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「イーレ!はせくら王国」は、平成24年3月に廃校となった旧支倉小学校をリノベーションし、平成30年7月にオープンした。小学校の家庭科室を改修して、チョコレート製造の工房として活用している。

そして、この施設は、地域複合アグリビジネスの拠点として、野菜の直売所や、東北の特産品を取扱う販売所として機能している。

注目すべきは、レストラン。地元の食材をフレンチで腕を磨いたシェフが丹精込めて料理を提供。東北の方向けで、塩味は少し強めだけれど、どれも食材の素材が活きていて美味しい。そんな地で、このROKUeは製造されている。

温泉も豊富な川崎町には、ビターチョコレートのようなホロ苦く、甘い一時が流れている。大人な週末を過ごせそうな予感だ。

日本の地域食材×チョコレートの新しい融合?

「和(なごみ)」:醤油&味噌

味噌、醤油が私のお気に入り!まず、東松島長寿味噌の最上級商品である「翁味噌」「媼醤油」を使用。また、通常は味噌や醤油をチョコレートと合わせる際は、パウダー化したものを使うことが大半だが、この商品は「生」のままでの練りこみに成功している。そのため、麹が活きていることは言うまでもない。

ちなみに、東松島長寿味噌とは、藩祖・伊達政宗公が奨励した味噌づくりを継承した会社。かつて味噌は、戦に赴く兵士たちの必需品であり、兵糧であった。味噌玉や藁にしみこませて携帯していた歴史的背景がある。

米どころであり、日本有数の大豆産地でもあるため、宮城県は味噌づくりに適しているが、「東松島長寿味噌」は、明治35年に石巻で創業された。「高砂長寿味噌」の伝統と味、素材を活かす熟練の職人による丁寧な仕込みが特徴である。

原材料である大豆、米麹、大豆麹に使用する米と大豆はすべて地元のもの。麹も、すべて自社製造だ。長寿味噌は、仙台味噌の本流とは違った作りをしており、大豆に米麹・塩・大豆麹も合わせる特殊な製法。大豆麹のたんぱく質、アミノ酸がうま味を加えてくれるらしい。この味噌やは個別に取材をしたい。

そんな昔ながらの製麹方法等を用いた手づくり味噌である、「媼味噌(おうなみそ)」や、「翁醤油」を大胆に使ったチョコレートだ。

「焙(ほうじ)」:きな粉&小豆

きな粉は、宮城県産大豆「ミヤギシロメ」を石巻で直火焙煎したきな粉を使用することで薫り高い。あずきは、

川崎町産の大納言小豆を使用。小豆はビタミンB1、B2が代謝を促して、肌にも嬉しい。大豆そのものが、「畑の肉」と呼ばれるほど高タンパクなので、嬉しいチョコレートである。

 ■「実(みのり)」:柚子&いちご

宮城県柴田町の「雨乞の柚子生産組合」が大切に育てている「雨乞の柚子(あまごのゆず)」を使用。自生している柚子では最北限の柚子と言われている。柚子をコンポートしたものをチョコレートと混ぜている。苺は、一度ドライ加工して、フレーク状にしたものを使用。苺の香りが際立つチョコレートとなっている。

ヴァンヴァンショコラ

実は、宮城県は、いちごも特産品の1つである。ヴァンヴァンショコラに含まれたワインは、宮城県山元町にある「やまもといちご農園」で製造されているイチゴのワイン「苺香(いちかおり)」を使用。苺香には山元いちご農園で生産されている「もういっこ」、「とちおとめ」、「紅ほっぺ」が使用されている。

カカオスイーティア

『カカオスィーティア』という商品名は、サイズ感はカカオダイスと一緒。ただし、これだけ、3個入。ビターは、ブラックチョコレートに“マシュマロ”が練りこまれて食感が面白い。

ぜひ、私の尊敬するアーティストバンド「SCANDAL」さんにもオススメしたい納得する「ビターチョコレート」。

中身は、京都宇治の名店「辻利」の抹茶パウダー、ほうじ茶パウダーを使用。昼夜の温度差により霧が発生しやすく降水量にも恵まれた良質な茶の産地、宇治。

古くから日本の茶文化の中心であったその土地で、お茶の老舗「辻利」は生まれたそうだ。1860年、幕末動乱のなか、宇治の茶師達は徳川幕府の庇護を失い、宇治の茶園が荒廃する中で「辻利」の創業者である辻利右衛門氏は、保存性の高い茶櫃(缶櫃)を考案。

また、お茶の販路を拡大するとともに玉露の茶葉を針状の美しい鮮緑に仕上げる「玉露製法」を確立させて一気に名を馳せた。1933年には、平等院境内の辻利右衛門像が建立されて、その名を後世にも伝えるほどの老舗お茶屋である。贅沢な、チョコレートである。

 

おつまみチョコ そば&枝豆

本商品は、川崎町、尚絅学院大学、イーレ!はせくら王国の産学官連携によって開発された商品である。川崎町産のそば、枝豆を尚絅学院大学の技術によってフリーズドライ化し、イーレ!はせくら王国にて商品化した。

ゆずチョコレート

宮城県柴田町の「雨乞の柚子」をドライピール。雨乞いの柚子は現在約300本。川崎町の中で最も高い愛宕山の中腹にある雨乞地区の里山であり薫り高く、無農薬。交配していないため、形はでこぼこ。ただ、これは在来種の証。

今から600年前にはこんな逸話がある。観音様を背負い諸国を行脚修行してあるく行者が柴田町雨乞地区にたどり着き、近くの家で水を飲んだ。その水の味と集落の人々の優しさに感激し、行者はこの地に住むことにしたそうだ。

ある時、行者は風邪をこじらせ長い間、床についたが雨乞の人々の手厚い看病により快復して、お礼に柚子の種を差しだした。すると、雨乞の人々がその種を蒔いたところ芽を出して【雨乞いの柚子】という名がつけられたそうだ。

編集後記

冒頭でご紹介した支倉常長は、リサーチ能力に引きをとらないガッツが私は素晴らしいと思う。

 

なぜなら、スペイン国王から許可が下りずに常長一行は8か月間もマドリードで過ごしながら許可が出るまで耐え続け、その後、イタリアに出向き教皇パウロ5世の公的な謁見式に臨むことで宣教師派遣の許しを得て国王と貿易の再交渉をもちかけたらからだ。

 

 

自分の目的を達成するための行動力に尊敬を覚える。

 

 

常長は、「キリスト教への改宗」という洗礼を受ける覚悟で臨んでいた。しかし、日本の禁教令やキリシタン弾圧、租テロ報告の中の嘘など、不利な情報が流されてしまい、結局は貿易を許可されずに帰国をする羽目になった。仙台に戻るまでは7年の月日が経っていた。

 

 

誰かのために自分の人生を費やす忍耐強さに畏敬の念を覚える。

 

 

政宗公も幕府からの厳しい禁教令により、常長は謹慎処分を受ける。そのまま慶長遣欧使節は忘れられて、時は明治維新。ベネツィアで常長の業績に光があてられたのは、250年も後のことになる。

 

 

ゴッホもセザンヌも、死んでからようやく功績が認められる。

 

 

250年という月日が経った現在、彼は天国で、自らの功績をビターチョコレートのようにほろ苦い思い出として大切にしているであろう。

 

 

(エモーショナルライター・井上 嘉文)

 

【取材先】
株式会社 東北農都共生総合研究所(イーレ!はせくら王国)
住所:宮城県柴田郡川崎町支倉塩沢9
TEL:0224-51-9131