「いなり寿司」と聞くと、甘辛く煮た油揚げに酢飯が詰まった、優しい味わいの定番お寿司を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。でも実はこの“甘さ”、全国共通ではありません。
地域によっては「全然甘くない」「出汁味であっさり」といったタイプが主流のところもあるんです。この記事では、いなり寿司が甘くない地域とその理由、地域別の特徴を詳しく解説します。
この記事の目次
いなり寿司が甘くない地域はどこ?
関西地方(大阪・京都・兵庫など)
関西では甘くない、または甘さ控えめないなり寿司が一般的です。
特に京都では出汁文化の影響が強く、油揚げは昆布や鰹の風味が効いた薄味で煮られることが多いです。
- 油揚げ:甘さは控えめ。醤油・出汁ベース
- 酢飯:白ごま入り、甘くないことが多い
- 用途:お弁当やおかずとして食べられるため、甘さよりも「合う味」が重視される
中国・四国地方(広島・岡山・徳島など)
このエリアでも比較的あっさり味のいなり寿司が多く見られます。
特に**酢飯に具材(人参、椎茸など)を混ぜた「ちらしいなり」**も一般的で、油揚げの甘さは控えめです。
その他の地域
- 名古屋周辺では赤味噌文化の影響で、濃いめの味付けのいなり寿司が食べられることも
- 秋田などの東北では甘めが多い傾向ですが、家庭差が大きく、あっさり味の家庭もあります
なぜ地域によって味が違うの?
いなり寿司の味付けの違いには、以下のような文化や食習慣の背景があります。
出汁文化 vs 砂糖醤油文化
- 関西地方は昆布や鰹節を使った「出汁」の文化が強く、料理全体の味付けが薄味寄りです。
- 関東地方は砂糖・醤油でしっかりと味をつける文化があるため、いなり寿司も甘めになりやすいです。
食べ方・用途の違い
- 甘い味は「おやつ」「軽食」向き
- あっさり味は「食事の一部」「お弁当のおかず」向き
食べる場面の違いによっても、味の傾向が分かれていきます。
地域別いなり寿司の味の違い【一覧表】
地域 | 味の傾向 | 特徴 |
---|---|---|
関東 | 甘め | 砂糖・醤油で煮た油揚げ、白酢飯 |
関西 | あっさり | 出汁ベースの油揚げ、白ごま入り酢飯 |
中国・四国 | あっさり | 酢飯に具材入り、「ちらし寿司」風も |
名古屋周辺 | 濃いめの味付け | 赤味噌文化の影響、甘辛どちらもあり |
東北 | やや甘め | 白酢飯が多く、家庭による差が大きい |
甘くないいなり寿司が食べられる場所は?
もし旅行や出張で関西方面へ行く予定があれば、ぜひ現地のスーパーや駅弁コーナーで「関西風いなり寿司」を探してみてください。
また、京都では「京いなり」「出汁いなり」といった名前で販売されていることもあります。
甘くないいなり寿司を家で作るには?
ご家庭で甘くないいなり寿司を作りたい場合は、以下のポイントを押さえると簡単です。
- 油揚げを煮るとき:砂糖を使わず、出汁・薄口醤油・酒のみで煮る
- 酢飯:砂糖少なめ or なし。白ごまや刻んだ野菜を混ぜても
- お好みで:ひじきや椎茸、人参を混ぜて「ちらしいなり風」にすると食べやすい
まとめ
いなり寿司は、日本全国で親しまれている料理ですが、その味付けには地域差があります。特に関西地方では甘さ控えめ、出汁を生かしたあっさり味のいなり寿司が主流です。
味の違いは文化や食習慣の違いに由来しており、どちらが正解というよりも、地域の「食の個性」として楽しむのが一番です。
旅行や引っ越し先で「いつもの味と違う」と感じたら、ぜひその土地の味を味わってみてください。