ご飯との相性が抜群で、塩気とうま味が凝縮された「すじこ」は、食卓でも人気の高い一品です。とくに大人には好まれる味ですが、小さな子どもにとっては安全なのでしょうか。いくらと似ているようで異なる「すじこ」には、実はさまざまなリスクが含まれています。
この記事では、すじこを子どもにいつから与えてよいのか、ダメな理由や注意点、目安量までを詳しく解説します。
すじこは何歳から食べられる?
すじこは「塩蔵されたサケの卵巣」であり、生の魚卵かつ非常に塩分の多い食品です。そのため、3歳までは控え、5歳以降に少量から試すのが安全な目安とされています。
年齢 | 食べられる? | 理由 |
---|---|---|
0〜1歳 | × 絶対NG | 噛みにくく、誤嚥・塩分・アレルギーの危険性 |
1〜2歳 | × NG | 噛む力・消化力・内臓の発達が未熟 |
3〜4歳 | △ できれば避ける | リスクが残るため慎重に |
5歳以上 | △ 少量なら可 | 咀嚼・体調・塩分量に注意 |
7歳以上 | ○ 条件付きで可 | 少量かつ鮮度・保存状態に注意して与える |
すじこがダメな理由
すじこは、子どもにとって多くのリスクを含んだ食品です。以下のような理由から、年齢が低いうちは避けるべきとされています。
1. 塩分が極めて高い
すじこは保存性を高めるために濃い塩で漬けられているため、100gあたりの塩分は4〜6g前後と非常に高くなります。少量でも、幼児の腎臓に大きな負担をかける恐れがあります。
2. アレルギーの可能性
魚卵はアレルゲンになりやすい食品です。とくに初めてすじこを食べる場合、じんましんや腹痛、下痢、呼吸困難などのアレルギー反応が出ることがあります。
3. 噛みにくく、のどに詰まりやすい
すじこは粒同士が膜でつながった状態のままのため、ひと粒ずつ噛みにくく、弾力があり滑りやすいため誤嚥のリスクもあります。
4. 保存状態による食中毒のリスク
冷蔵庫で保管していても、保存期間が長いとリステリア菌などの細菌繁殖リスクがゼロではありません。大人より免疫が弱い子どもには特に注意が必要です。
子供にすじこを与える時の注意点
すじこを与える場合には、以下の点を守ることでリスクを軽減できます。
- 必ず5歳以上になってから与える
- 味の薄い(減塩)タイプを選ぶ
- 新鮮でその日に消費できるものを与える
- 1粒ずつ切り離して、潰してから与えるのが安全
- 初めて与えるときは病院にかかれる平日の午前中にごく少量から
また、アレルギー体質がある子どもや、体調が万全でない場合は与えない方が無難です。
すじこを与えるときの目安量
すじこは主菜ではなく嗜好品と捉え、ごく少量だけを与えるようにしましょう。
年齢 | 目安量(1回あたり) | 頻度 |
---|---|---|
5〜6歳 | 3〜5粒(小さじ1/2程度) | 月1回程度まで |
7〜9歳 | 5〜10粒(小さじ1程度) | 2〜3週間に1回まで |
10歳以上 | 10〜15粒(小さじ1〜2) | 月2回までが目安 |
塩分・脂質が高いため、味見程度で満足させる工夫が必要です。おにぎりやおかずの一部として混ぜ込むなど、量を抑えて取り入れましょう。
他に気をつけるべき食材
すじこ以外にも、乳幼児に与える際に注意が必要な食材があります。
食材 | 理由 |
---|---|
生ハム | 非加熱・高塩分・リステリア菌のリスク |
いくら | 魚卵アレルゲン・誤嚥・高塩分 |
生魚(刺身) | アニサキス・細菌感染リスク |
ローストビーフ | 中心部加熱不足による食中毒 |
生卵 | サルモネラ菌によるリスク |
ナッツ類 | 噛みにくく窒息リスクがある |
はちみつ(1歳未満) | ボツリヌス菌による乳児中毒 |
食材によっては年齢制限が必要なものも多いため、月齢・体調・調理法をふまえて慎重に選ぶことが大切です。
まとめ
すじこは濃厚な旨味があり、大人には人気の高い食品ですが、乳幼児にとっては多くのリスクがある嗜好品です。
- 3歳までは与えない、5歳以上でもごく少量にとどめる
- 誤嚥・塩分・アレルギーのリスクに十分注意する
- 減塩タイプや新鮮なものを、潰して与えるのが安心
子どもにとっての「食の安全」は、大人がしっかり守ってあげる必要があります。体が未熟な時期に無理して与えるよりも、成長してから一緒に楽しむ方が、安心して味わうことができます。