ふんわりした口当たりの「釜揚げしらす」、カリカリとした食感が楽しい「ちりめんじゃこ」。どちらもスーパーでよく見かける身近な食材ですが、改めて「しらすとちりめんじゃこの違いってなに?」「料理にはどれを使えばいいの?」と悩む方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そんな疑問にお答えすべく、しらす・しらす干し・釜揚げしらす・ちりめんじゃこの違いや、それぞれの栄養価、代用できるかどうか、そしてどちらが美味しいのかまで、丁寧に解説していきます。
この記事の目次
しらすとは何か?基本の知識からおさらい
「しらす」とは、イワシ類(主にカタクチイワシ、マイワシ、ウルメイワシなど)の稚魚を総称して呼ぶ名前です。一般に「しらす」と聞くと白っぽい小さな魚の姿を思い浮かべますが、実は加工方法によって名称や食感が変わってきます。
しらすの加工による分類
種類 | 加工方法 | 特徴 |
---|---|---|
釜揚げしらす | 茹でて水分を含んだ状態 | ふんわりやわらかい。塩分も少なめ |
しらす干し | 釜揚げしらすを軽く乾燥 | ややしっかりした歯ごたえ。風味が濃い |
ちりめんじゃこ | しらす干しをさらに乾燥 | カリッとした食感で保存性が高い |
つまり、「しらす」とは広い意味での総称であり、その乾燥の度合いによって「釜揚げしらす」「しらす干し」「ちりめんじゃこ」と分けられているのです。
釜揚げしらす・しらす干し・ちりめんじゃこの違いをもっと詳しく
1. 釜揚げしらす
- 茹でただけで乾燥させていないしらす
- 水分量が非常に多く、やわらかくジューシーな食感
- 小さな子どもや高齢者でも食べやすい
- 冷蔵保存が基本で、日持ちは短め(2〜3日が目安)
2. しらす干し
- 釜揚げしらすを軽く干して水分を飛ばしたもの
- 歯ごたえがあり、しらす本来のうまみが凝縮
- おにぎりやサラダのトッピングに向く
- 冷蔵保存で5〜7日程度
3. ちりめんじゃこ
- しらす干しをさらにしっかりと乾燥させたもの
- 水分が少なく、カリカリとした食感が特徴
- 塩味が強めでご飯のお供やおつまみにも最適
- 常温保存可能で、賞味期限も比較的長い(1ヶ月以上)
栄養価の違い|しらすとちりめんじゃこ、どっちが栄養豊富?
しらすとちりめんじゃこは同じ魚を加工しているだけなので、基本的な栄養素は似ています。ただし、水分量が少ないちりめんじゃこの方が、重量あたりの栄養価は高くなります。
栄養素(100gあたり) | 釜揚げしらす | しらす干し | ちりめんじゃこ |
---|---|---|---|
エネルギー | 約110kcal | 約210kcal | 約330kcal |
カルシウム | 約160mg | 約500mg | 約520mg |
タンパク質 | 約20g | 約40g | 約60g |
塩分(ナトリウム) | 少ない | 中程度 | 多め |
栄養面での選び方
- カルシウムやタンパク質をしっかり摂りたい→ちりめんじゃこ
- 塩分を抑えたい、体にやさしく→釜揚げしらす
しらすとちりめんじゃこ、代用はできる?
基本的には代用可能です
料理によっては、しらすとちりめんじゃこは互いに代用することができます。
ただし、乾燥具合や塩分の強さ、食感が異なるため、調理法や味付けに合わせて注意しましょう。
代用の際の注意点
使いたい料理 | 代用できるか | 注意点 |
---|---|---|
パスタ | ◎ | どちらも使用可能。しらす干しはやや風味がマイルド |
おにぎり・混ぜご飯 | ◎ | ちりめんじゃこが向いている(水分が少ない) |
離乳食 | △ | 塩分が少ない釜揚げしらすが望ましい |
サラダトッピング | ◎ | しらす干し、ちりめんじゃこがおすすめ |
和え物・炒め物 | ◎ | ちりめんじゃこは炒ると香ばしさがアップ |
釜揚げしらすとしらす干し、どっちが美味しい?【好み別に解説】
「美味しさ」は好みによりますが、それぞれの特徴を活かすと、料理の仕上がりがよりよくなります。
シーン | おすすめ | 理由 |
---|---|---|
白ごはんにのせたい | 釜揚げしらす | やわらかく、しっとり感がご飯に合う |
カリカリ食感を楽しみたい | ちりめんじゃこ | 炒るとさらに香ばしくなり、風味も強くなる |
塩分が気になる | 釜揚げしらす | 最も塩分が控えめ |
保存性を重視したい | ちりめんじゃこ | 常温保存ができるので、お弁当や非常食にも便利 |
まとめ|しらすとちりめんじゃこを理解してもっと美味しく使い分けよう
- 「しらす」「釜揚げしらす」「しらす干し」「ちりめんじゃこ」はすべてイワシ類の稚魚が原料
- 違いは加工法(茹で方・乾燥の程度)によるもので、食感・塩分・保存性に差が出る
- 栄養面では乾燥しているほどエネルギーやカルシウムが高くなるが、塩分にも注意
- 代用も可能だが、食感や味わいの違いに合わせて工夫が必要
しらすは栄養価が高く、日々の食卓に手軽に取り入れられる万能食材です。ご家庭の好みや食事内容に合わせて、最適なタイプを選んでみてください。