朝食やお弁当のおかずとして便利な「ハム」。薄くスライスされていて食べやすそうに見えるため、赤ちゃんや幼児にも「ちょっとだけなら大丈夫かな」と思ってしまう保護者も少なくありません。
しかし、ハムは「加工肉」に分類され、見た目のやさしさとは裏腹に、塩分・脂質・添加物が多く含まれるため、与える時期や量には十分な注意が必要です。本記事では、ハムを何歳から与えてよいのか、安全に食べさせるためのポイントや目安量について詳しく解説します。
ハムは何歳から食べられる?
ハムは目安としては1歳半〜2歳以降から、少量であれば可とされています。ただし、あくまで「たまに」「調味料代わりに使う」感覚での使用が望ましく、日常的に与えるのは避けるべきです。
年齢 | 食べられる? | 理由 |
---|---|---|
0〜1歳 | × 絶対NG | 塩分・添加物・脂質が高く、消化器官に負担 |
1〜2歳 | △ 少量なら条件付きで可 | 加熱・湯通ししてから与える |
2〜3歳 | ○ 控えめにOK | 頻度と塩分に注意 |
3歳以上 | ○ OK | バランスを見ながら量を調整すれば可 |
ハムを早くから与えたらダメな理由
ハムには「大人にとって便利な食品」という側面と裏腹に、子どもにとってのリスクが複数あります。
1. 塩分が多すぎる
ハム1枚には0.5〜1.0gほどの塩分が含まれており、幼児の1日の塩分摂取目安(1〜2歳:3.0g未満)にすぐ達してしまう可能性があります。
2. 添加物(発色剤・保存料)が含まれる
特に亜硝酸ナトリウム、リン酸塩、発色剤などの添加物が使用されており、体が未発達な乳幼児には負担となる場合があります。過剰摂取や日常的な摂取は避けるべきです。
3. 脂質や加工肉としての健康リスク
ハムは脂質も比較的高く、さらに世界保健機関(WHO)は加工肉の過剰摂取が健康リスクを高めると指摘しています。あくまで嗜好品的な位置づけでとらえるべき食品です。
子供にハムを与える時の注意点
ハムを安全に食べさせるためには、以下の点に気をつけましょう。
- 必ず加熱してから与える(生食は避ける)
- 調理前に湯通しすることで塩分・脂肪・添加物を少し減らす
- 1回の量はごく少なめにし、他のおかずで塩分が重ならないようにする
- できれば「無塩せき」や「添加物控えめ」の商品を選ぶ
- 他の加工肉(ベーコン・ソーセージなど)との併用を避ける
ハムを与えるときの目安量
以下に、年齢別のハムの適量と頻度を表にまとめました。
年齢 | 目安量(1回) | 頻度の目安 | 注意点 |
---|---|---|---|
1歳半〜2歳 | 1/4枚程度(5g前後) | 月1〜2回程度 | 湯通し+加熱で塩分カット |
2〜3歳 | 1/2枚程度 | 月2〜3回まで | 加工食品と併用しない |
4歳以上 | 1枚程度 | 週1回まで | 栄養バランスに配慮すること |
※「1枚」は薄切りロースハムを基準としています。
他に気をつけるべき食材
ハムと同様に、塩分・脂質・添加物が多く、子どもの健康に配慮が必要な食材を以下にまとめました。
食材 | 理由 |
---|---|
ソーセージ・ベーコン | ハム以上に脂質・塩分が多く、添加物も多い |
たらこ・明太子 | 高塩分・アレルゲンのリスクあり |
レトルト食品・インスタント麺 | 保存料・化学調味料が多い |
チーズ(プロセス) | 添加物や塩分に注意が必要 |
市販のお惣菜 | 味付けが濃く、油分も高めなものが多い |
まとめ
ハムは便利で手軽に使える食材ではありますが、幼児にとっては塩分や添加物、脂質の多さから、注意して取り扱うべき食品です。
- 1歳半以降から、ごく少量、しっかり加熱してから与える
- 頻度と量は控えめにし、できるだけ他の自然な食材で代用するのが理想
- 可能であれば「無塩せき」や「減塩タイプ」を選ぶなどの工夫を
小さなころから加工食品に慣れすぎないよう、素材本来の味を楽しめる食環境を整えることが、健康的な味覚の発達にもつながります。