納豆は「健康にいい食品」として多くの人に親しまれています。発酵食品である納豆は、腸内環境を整えたり、ビタミンやミネラルが豊富だったりと、日々の食生活に取り入れるにはぴったりの食材です。
しかし、そんな納豆でも一緒に食べると栄養の吸収を妨げてしまう組み合わせが存在します。知らずに続けていると、せっかくの健康効果が発揮されなくなってしまうかもしれません。
この記事では、納豆と一緒に食べないほうがいい食材や飲み物、注意すべき薬の種類などを詳しく解説します。納豆を正しく取り入れたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
納豆と一緒に食べてはいけないもの一覧
まずは、納豆と相性が悪いとされる食材や飲み物、薬を一覧でまとめました。
食べ合わせると良くないもの | 理由 |
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生卵(特に卵白) | 卵白中の「アビジン」がビオチン(ビタミンB7)の吸収を妨げる |
緑茶・紅茶・コーヒー | 含まれるタンニンが鉄分の吸収を妨げる |
アルコール(特に多量摂取) | ビタミンB群の吸収が低下しやすくなる |
ほうれん草(大量摂取時) | シュウ酸がカルシウムや鉄の吸収を阻害する |
抗凝固薬(ワーファリンなど) | 納豆に含まれるビタミンKが薬の作用を打ち消す |
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
生卵(特に卵白)は栄養の吸収を妨げる
アビジンとビオチンの関係
生卵の卵白には「アビジン(Avidin)」というたんぱく質が含まれており、納豆に豊富な**ビオチン(ビタミンB7)**と強く結びつく性質があります。
この2つが結合してしまうと、体内でビオチンが吸収されにくくなり、栄養がムダになってしまうのです。ビオチンは皮膚や粘膜、髪の健康に関わる大切なビタミンなので、不足すると肌荒れや疲れやすさにつながることもあります。
黄身だけならOK!加熱すればリスク回避
卵黄にはアビジンは含まれていないため、黄身だけを納豆に混ぜるなら問題ありません。また、アビジンは加熱によって変性し、ビオチンと結びつかなくなるため、加熱済みの卵(目玉焼きや温泉卵)なら安心して一緒に食べられます。
緑茶・紅茶・コーヒーは鉄の吸収を阻害する
お茶やコーヒーに含まれるタンニンという成分は、納豆に含まれる**非ヘム鉄(植物性の鉄)**の吸収を妨げる作用があります。特に、食事中や直後に飲むと吸収率が大きく下がる可能性があるのです。
飲むタイミングをずらすのがポイント
納豆の鉄分をしっかり吸収したいなら、お茶やコーヒーは食後30分〜1時間ほどあけてから飲むのが理想です。朝食で納豆を食べたあとにすぐコーヒーを飲むという人は、少し時間をずらしてみましょう。
アルコールは納豆のビタミンを無駄にする?
納豆はビタミンB群(特にB2、B6、B12など)が豊富で、代謝を助けたり疲労回復に効果があるとされています。しかし、アルコールはこれらのビタミンの吸収や利用を妨げることがあります。
特にお酒をよく飲む方や、納豆をつまみにして晩酌する習慣がある方は、せっかくの栄養を効率的に吸収できていないかもしれません。
ほうれん草の「シュウ酸」にも注意
ほうれん草には「シュウ酸」という成分が多く含まれており、これが体内のカルシウムや鉄と結合して吸収を阻害するとされています。納豆にもカルシウムや鉄分が含まれているため、大量に一緒に摂ると栄養をムダにしてしまう可能性があります。
茹でればOK!水にさらして対策
シュウ酸はゆでこぼすことで減らすことができるため、ほうれん草は一度茹でてから納豆と合わせるようにすれば、問題ありません。
薬との飲み合わせにも注意が必要
納豆に多く含まれるビタミンKは、血液を固まりやすくする働きがあります。そのため、血液をサラサラにする薬(ワーファリンなど)を服用している人は注意が必要です。
ビタミンKを摂取すると、薬の効果が弱まってしまい、血栓や脳梗塞などのリスクが高まる可能性もあります。
納豆NGとされるケースも
ワーファリンを服用している方には、医師から納豆の摂取を止められているケースも多いです。自己判断で食べるのは危険なので、必ず主治医に確認してください。
納豆と相性の良い食材も知っておこう
逆に、納豆と一緒に食べると栄養の吸収を高めてくれる食材もたくさんあります。
相性の良い食材 | 期待できる効果 |
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オクラ | オクラのネバネバ成分が腸内環境を整え、消化吸収を助ける |
長いも | 消化酵素が豊富で、胃腸への負担を軽減 |
キムチ | 発酵食品同士で乳酸菌の相乗効果が期待できる |
ねぎ | アリシンがビタミンB群の吸収を助ける |
海苔 | ビタミンB12やミネラルの補完になる |
まとめ|納豆は「食べ合わせ」で差がつく!
納豆は栄養満点の発酵食品ですが、食べ合わせ次第で効果が半減してしまうこともあります。
とくに以下の点に注意しましょう。
- 生卵の卵白はNG。卵黄や加熱卵ならOK
- お茶・コーヒーは時間をあけてから
- 薬を服用中の人は医師と相談を
- ほうれん草は茹でてから使う
- アルコールとは相性が悪いので、控えめに
正しい知識をもって納豆を食べることで、その健康効果をしっかりと活かすことができます。毎日の食事に納豆を取り入れる際は、ぜひこの記事の内容を参考にしてみてください。