魚にまつわる漢字は、日本の食文化や自然観と深く結びついています。中には普段目にすることの少ない、読むのも難しい漢字がたくさんあります。この記事では、魚へんの「難読漢字」TOP20を取り上げ、それぞれの読み方だけでなく、語源や由来についても詳しく解説します!漢字に隠された歴史や意味を知ると、魚への理解がさらに深まるかもしれません。
魚へんの難読漢字TOP20
1. 鱚(キス)
鱚は細長い体形で砂地に生息する魚です。「喜ぶ」を意味する「喜」と魚偏を組み合わせた漢字で、「美味しくて喜ばれる魚」という意味が込められているとされています。
2. 鰤(ブリ)
鰤は出世魚として知られ、成長に応じて名前が変わります(イナダ→ワラサ→ブリ)。「師」の字は「師走(12月)」に旬を迎えることにちなむという説があります。
3. 鱒(マス)
「鱒」の漢字は「尊い魚」を意味し、古代中国でマスが貴重とされていたことが由来です。日本ではサケ科の一種として親しまれています。
4. 鰍(カジカ)
カジカの語源は「かじかむ(寒さで手が動かなくなる)」から来ています。寒冷地に生息することが多い魚で、この名が付いたと考えられます。
5. 鱧(ハモ)
ウナギに似た細長い体形の鱧は、夏の京都で欠かせない高級魚です。「鱧」の字は「豊か」という意味があり、美味しさを表現したものとされています。
6. 鰡(ボラ)
ボラは「跳ぶ魚」という意味の古語から来ているとされます。漢字の「鰡」は魚偏に「里」を加えたもので、沿岸に多く見られる魚を表しています。
7. 鮪(マグロ)
「鮪」は「目が黒い(真黒)」という特徴から名付けられたとされます。大きな黒目が印象的な、刺身でおなじみの魚です。
8. 鯰(ナマズ)
鯰の漢字は、「ねばる」という特徴から来ています。その粘着質な体や、地震を起こすとされる伝説とも関連しています。
9. 鮹(タコ)
タコの吸盤が「粘りつく」性質を持つことから、「章(粘り)」を表す漢字が使われています。中国由来の漢字ですが、日本でもそのまま使用されています。
10. 鯵(アジ)
「鯵」は「味が良い」という意味から名付けられたとされます。新鮮なアジの美味しさを象徴する漢字です。
11. 鰯(イワシ)
「鰯」は「弱い魚」という意味を持ちます。傷みやすく、鮮度が落ちるのが早い魚であることを表しています。
12. 鱸(スズキ)
「鱸」の字は「庶民的な魚」を意味します。広く親しまれる魚であることから、この漢字が使われています。
13. 鰌(ドジョウ)
ドジョウは稲田に多く生息する魚で、「秋にとれる」という特徴から「秋」を含む漢字が使われています。
14. 鰊(ニシン)
「鰊」は「春にとれる魚」という意味から付けられました。春の訪れを告げる魚として親しまれています。
15. 鯒(コチ)
コチは海底で生活する魚で、漢字の「共」は「一緒に隠れる」という意味を持っています。
16. 鱶(フカ)
サメ類を指す古語で、「深い海に生息する魚」という特徴を表しています。
17. 鰔(アカエイ)
エイの尾にある鋭い棘を矢じりに見立てて、「箭(やじり)」の漢字が含まれています。
18. 鰕(エビ)
「鰕」は中国由来の漢字で、エビの「腰が曲がった形状」が老人を連想させたことから「海老」の名が付いたと言われます。
19. 鯏(アサリ)
浅瀬でとれることから「浅利(あさり)」と呼ばれ、この漢字が当てられました。
20. 鯤(コン)
古代中国の思想家『荘子』に登場する巨大な魚で、クジラの稚魚を指します。哲学的な意味合いも込められた漢字です。
まとめ
魚へんの漢字には、それぞれの魚の特徴や日本人の自然観、時には中国の文化的背景が深く刻まれています。読むだけでも楽しいですが、語源や由来を知ることでその魚への理解が一層深まるでしょう。次回魚を見かけた際には、ぜひ漢字にも注目してみてください!